起き上がりを難しくする原因
起き上がり動作は、全身の筋肉を連動させ、上下動も伴う運動です。さまざまな原因によって体の連動に狂いが生じ、動作が難しくなってしまいますので、ここではその原因についてまとめていきます。寝返りと共通する部分も多いですが、上下動が加わることで動作を阻害する要因が増えています。
起き上がりが困難になる主な原因
1.運動機能の問題

運動を行う能力に何らかの問題を生じるているケースです
・筋力の低下:腹筋、背筋、腕の筋力、足の筋力何れかが失われるだけで姿勢を安定させることが出来ずに体が倒れてしまいます
・関節可動域の制限:体幹、肩・腕、股関節・膝等何れかの関節が固くても、体がスムーズに連動せず起き上がれなくなり得ます
2.神経系の障害

病気によって脳からの指令がうまく伝わらない、あるいは過剰に伝わってしまうケースです
・麻痺やしびれ:脳血管疾患などによる片麻痺や痺れがある場合、健康な側だけで全身を動かす必要があり、動作が難しくなります
・パーキンソン症状:パーキンソン病を始めとした神経症状によって、筋固縮(筋肉のこわばり)や動作の緩慢さによってスムーズに動けなくなります
・運動失調:脳や脊髄の疾患によって動きのタイミングや力加減を調節できず、勢いがつきすぎたり、逆に不足したりして動きを制御できなくなります
・痛み:腰痛や肩痛、股関節痛等があると、無意識に動作を制限してしまいます
3.感覚・高次脳機能の障害

自分の体がどうなっているか、どう動かせばいいかを脳が正しく認識できないケースです
・深部感覚の低下:脳の疾患や末梢神経の障害によって自分の手足の位置や、ベッドの端がどこにあるかを感覚として捉えられないと、体を適切に動かせなくなります
・前庭感覚(平衡感覚)の異常:脳の疾患や三半規管等の異常によって頭を動かしただけでめまいやふらつきが出ると、体勢を変えることが難しくなります
・失行:筋力や感覚に問題がなくても、脳の疾患が原因で動作の手順が分からなくなり、動きが止まってしまいます
4.環境的要因

主に寝具の問題で動作が妨げられているケースです
・寝具の不適合:柔らかすぎるマットレスは体が沈み込んでしまい、体の回転や持ち上げに大きな力が必要になります
・敷布や服の材質:敷布や服が摩擦の大きい材質を使用していると体を回転しづらくなります
5.心理・内科的要因

・意欲低下や恐怖心:体勢が大きく変わる事に対する活動意欲の低下や転落するかもしれないという恐怖が強いと動作が妨げられることがあります
・血圧の変動:急に頭を上げることで起こる「起立性低血圧」があると、血圧が急激に下がり失神しかけるため、動作が不安定になります
起き上がりが出来ない場合にどう対処すれば良いのかについては次回解説していきます。