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脱水症の症状と対策

今回は脱水症について解説していきます。
                     

脱水症は、単に「水分が減る」だけでなく、体内の重要な塩分(電解質)も同時に失われることで起こります。

特に日本の夏は高温多湿なため、自覚がないまま進行する「かくれ脱水」になりやすく、放置すると熱中症へ直結します。脱水症の仕組みから、見落としがちなサイン、正しい補給方法を個別にまとめました。

1. 脱水症のメカニズム

人間の体の約60%(高齢者は約50%)は水分でできており、これらはナトリウムやカリウムなどの「電解質」が含まれた「体液」です。夏の脱水は、主に次の2つのバランスが崩れることで起こります。

高張性脱水(水が足りない状態):

水分を十分に摂らないまま大量に汗をかくと、体液の水分だけが減り、体内の塩分濃度が濃くなります。強い「喉の渇き」を感じるのが特徴です。

等張性脱水(水も塩分も足りない状態):

出血などによって、体液の水分と塩分の両方が減ると、体内の塩分濃度は変わりませんが、体内の血液循環が減り、血圧低下や意識障害を引き起こします。

低張性脱水(塩分が足りない状態):

大量に汗をかいた後、「水やお茶だけ」をたくさん飲むと、体液の塩分濃度が薄まってしまいます。すると体は濃度を一定に保とうとして、あえて尿として水分を排出してしまいます(自発的脱水)。喉の渇きを感じにくく、だるさや頭痛、足のつりを引き起こします。

2. 見逃してはいけない脱水症のサイン

「喉が渇いた」と感じた時点ですでに脱水は始まっていますが、特に以下のサインが出たら要注意です。 

・尿の色:正常な尿は薄い黄色だが、脱水が進むと「濃い黄色〜茶色っぽい色」になり、回数や量も減る。

・手の甲の皮膚(ツルゴール反応):手の甲の皮膚をつまみ上げて離したとき、皮膚の形が3秒以上戻らない場合は皮膚の水分が著しく低下している。
               

・口の中や見た目の変化:舌が白く乾燥している、脇の下が乾いている、急に体重が減っている(1日で1kg以上の減少など)。

・その他の見分け方:いつもよりボーっとしている、つじつまの合わないことを言う、手が冷たくなっている。

3. 正しい水分・電解質補給のルール

脱水症の予防・対策には、ただ飲むのではなく「何を」「どう飲むか」が重要です。

① 「お茶・コーヒー・ビール」は水分補給にならない

緑茶やウーロン茶、コーヒーに含まれるカカオやカフェイン、アルコールには強い利尿作用があります。飲んだ量以上の水分が尿として体外に出てしまうため、これらは水分補給ではなく「嗜好品」として考え、別途水や麦茶を飲むのが望ましいです。

               

② 状況に合わせた飲み物の選び方

・普段の生活(予防):水、麦茶
               

日常的な渇きには、カフェインの入っていない水や麦茶で十分です。

・軽いスポーツ後、軽い発汗時:スポーツドリンク
               

※糖分と適度な塩分が含まれており、エネルギー補給にもなりますが、飲みすぎると糖分の過剰摂取になります。

・大量の発汗時、脱水の初期症状出現時:経口補水液
               

※塩分濃度が高く、糖分が抑えられており、小腸での吸収スピードが最も早いです。

③ 「1200ml程度」をこまめに

一度に大量の水を飲んでも、体が一度に吸収できる量は限られており(1回あたり約200-250ml)、残りは尿として排出されてしまいます。

起床時、朝食時、10時、昼食時、15時、夕食時、入浴前後、就寝前、等生活リズムに合わせて1日数回に分けて飲むのが最も効率的です。

4. 特にリスクの高い「高齢者」と「子ども」の注意点

高齢者:筋肉量が減っているため、もともと体内に蓄えられる水分量が少ない(貯水タンクが小さい)状態です。さらに、脳の「渇きを感じるセンサー」が鈍くなっているため、喉が渇いていなくても決まった時間に水分を摂る必要があります。

                    

子ども:体重に対する水分の割合は高いですが、体温調節機能が未熟で汗をかきやすく、大人よりも水分を失うスピードが早いです。また、自分で不調を訴えられないことが多いため、大人が「尿の色」や「機嫌」をこまめにチェックする必要があります。

                   

脱水症も放置すると重大な問題を引き起こすので、正しい知識を身に着け、重症化しない内に対処出来るようにしていきましょう。

次回は水分補給を拒まれることも多い高齢者に対する対応の仕方について解説していきます。

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